Webの歴史と設計思想


大学の講義が5月からになったので、先週友人達で集まって勉強会をしました。

そこで、「Webの歴史と設計思想」について喋りました。

皆Webを当たり前に使っているのに、Webを作った人は誰なのか、たぶんほとんど皆知らないんだよね。

ということで、学部生の時に所属していたKasM研究室の必読書の1つである「Webの創成」を用いて、Webはどのようにして生まれたのか、どこへ向かうのか、について考えてみました。

興味を持ってくれた人は「Webの創成」を読んでみてください。


今回、初めてPreziを使ってプレゼン資料を作ったんだけれど、資料作るのかなーりめんどいし、プロ向けのツールだと痛感しました。

その証拠に、プレゼンの後半はほとんど画像・写真がない。。

しかも時間の関係上、「どのようにして生まれたのか」にしか言及することができず、「どこへ向かうのか」に関しては次回以降持ち越しという残念な感じに。。



自分なりのまとめを簡単に書くと、Webの基本的な設計思想は「普遍性」と「共同作業用のメディア」の2点。


「普遍性」という思想から、URIというスキームだったり、非集権的だったり、URI,HTTP,HTMLというたった3つの単純な基本が生まれている。


「共同作業用のメディア」というのは、現在のWebでは十分に実現されているとは言えず、せいぜいWikiとか社内LANが持っている程度。

TBLとしては、人と人の共同作業はもちろん、人と機械、機械と機械の共同作業もWebで実現したい。

それが「セマンティック・ウェブ」で、今W3CにおいてTBLがすすめていることのようです。




正直自分の中では準備不足感が否めず、聞きに来てくれた人には申し訳ない気持ちが大きかった。。

でも、発表の後の質疑応答・ディスカッションが大変ためになりました。


・Webの開発者TBLの名前があまり知られていないのは、Webが設計思想として「非集権的」というコンセプトを持っているからこそではないか?


W3Cが行っている勧告と言う形での事実上の標準化。

これはWebの思想と反するものと言えなくはない。

TBLがW3Cのトップにいるから微妙なバランスを保てているが、TBLが引退した後に、W3Cはどう振る舞うのか。

Webはまだ「創業者の手を離れていない」。


・世界規模での多様性を持つCERNだからこそWebは生まれたが、CERNだからこそWebは普及において困難を迎えた。


イノベーションにおいてやはり「Diffusion」すなわち普及は極めて重要で、意図的に行うのはとても難しい。


などなど。



参考文献はこちら:


・Webの創成(ティム・バーナーズ-リー 高橋徹翻訳 毎日コミュニケーションズ


・Webを支える技術(山本陽平 技術評論社


・ITビジネスの系譜(3)Webによるインターネット革命(杉本英二 久留米大学商学研究)




今回資料を公開するにあたって、著作権に関してさらに少し勉強しました。


ほんと、基本的には何をやるにもグレーゾーン。


それについてはまた近々エントリを書こうかと思います。